ヘルメットは使い続けるうちに汗や油分、ほこりなどが付いて汚れてしまいます。
ヘルメットを定期的に洗うことで清潔に使えるだけでなく、ヘルメットの寿命も延ばせます。洗う頻度は、毎日被るなら週に一度、月に数回ならその都度洗うのがおすすめです。
この記事では、バイクヘルメットの正しい洗い方やお手入れ方法を解説します。
バイクヘルメットを洗うために必要なアイテムは次のとおりです。
洗濯洗剤が手元にない場合は台所洗剤でも代用できます。バケツは水と中性洗剤を混ぜて洗浄液を作るのに使用し、内装やシールドを丸洗いする際にも役立ちます。
洗ったパーツの水気を取るのにはやわらかい布が便利です。特にシールドや帽体を拭く際は、やわらかい布を使うと傷を防げます。
インテークなど細かな部分の掃除には歯ブラシが最適です。ピンチハンガーは洗った内装を乾かす際に使います。
ここではバイクのヘルメットの洗い方を内装と外装に分けて解説します。
内装の洗い方は、取り外しが可能かどうかによって異なります。ここでは、内装が取り外せるタイプと取り外せないタイプそれぞれの洗浄方法を紹介します。
まずはヘルメット本体から内装を取り外します。取り外し方がわからない場合は、ヘルメットの説明書を参考にするとスムーズです。
次に、バケツに水と中性洗剤を入れ、よくかき混ぜます。洗剤を多く入れても洗浄力は変わらず、すすぎ残しの原因になるため、数滴程度で十分です。
洗浄液ができたら、バケツに内装を浸して手洗いで優しく洗います。汚れがなかなか落ちない場合は、洗浄液を取り替えて何度か洗うと効果的です。
洗い終えたら、きれいな水でよくすすぎます。洗剤が残っていると変色やカビの発生につながるため、泡が出なくなるまでしっかりとすすぐことがコツです。
すすぎが終わったらやわらかいタオルで優しく水気を拭き取ります。水分を抜く際は内装を傷めないように強く絞らないように気を付けてください。
【軽い汚れの場合】
【汚れがひどい場合】
ビンテージタイプのジェットヘルメットなど、内装が取り外せないタイプのヘルメットは、無理に内装を取り外さずそのままの状態で洗います。
軽い汚れであれば、水と中性洗剤で作った洗浄液をタオルに浸して拭くだけできれいになります。においが気になる場合は、除菌スプレーが効果的です。
拭き掃除で落ちない汚れがある場合は、大きめのバケツを用意し、ヘルメットごと丸洗いする方法もあります。洗い終わったら、柔らかいタオルで全体をやさしく拭いて水気を取ります。
ここでは、シールドと帽体(シェル)の洗浄方法を解説します。
【軽い汚れの場合】
【汚れがひどい場合】
シールドは軽い汚れと汚れがひどい場合で洗い方が異なります。
軽い汚れであれば、水で薄めた中性洗剤をやわらかい布に含ませ、やさしく拭き取ることで簡単にきれいにできます。少ない水量でティッシュペーパーや粗い生地のタオルを使用すると、シールドの表面に細かな傷がつく原因になります。できるだけなめらかで柔らかい布を選び、十分な量の水で洗うことがポイントです。
拭き取り後は、乾いた布で水分をしっかり拭き取るとシミの発生を防げます。汚れがひどい場合は、内装と同じようにバケツに水と中性洗剤を入れて丸洗いすると、汚れをきれいに落とせます。
帽体の洗い方は基本的に拭き掃除です。水で薄めた中性洗剤をやわらかい布に含ませてやさしく拭き、その後は乾いた布で水分を取り除きます。
また、市販のヘルメットクリーナーがあれば、それを使うのも効果的です。擦り傷がある場合は、コンパウンドを使うときれいに仕上げられますが、使いすぎると塗装を傷める原因となります。
また、シンナーやベンジン、ガソリンなどの有機溶剤や、それらを含むクリーナーは素材を劣化させる可能性があるため、使用を控えるべきです。
特に、つや消し塗装はつやあり塗装と比べて傷や汚れ、しみがつきやすいため、拭き掃除をする際はやわらかい布で強くこすりすぎないようにするのがポイントです。
バイクヘルメットを洗った後に手入れを怠ると、すぐに汚れが付着してしまう原因になります。ここでは、ヘルメットを洗い終わった後の適切なお手入れ方法を紹介します。
洗浄が終わったら、しっかり乾燥させることが重要です。特に内装は、乾燥が不十分だと臭いの発生や雑菌の繁殖につながる可能性があります。水気を拭き取っても内部に水分が残っている場合があるため、ピンチハンガーを使って十分に時間をかけて乾燥させます。
また、ドライヤーを使うと熱によってパーツが変形する可能性が高くなります。基本的には自然乾燥させ、それぞれのパーツが完全に乾いたら元通りヘルメットに装着します。
ヘルメットの外装は、市販のコーティング剤やワックスを使用すると表面につやが生まれ、汚れや傷の防止にもつながります。また、シールドに撥水加工を施せるアイテムもあります。洗い終わった後に塗布しておけば、雨が降っても水を弾いてくれます。
ヘルメットを洗い終わって保管する際は、変形を防ぐためにも50℃を超えるような高温の場所での保管は避けましょう。
また、ヘルメットは、落下すると衝撃を吸収して寿命が縮む可能性があります。バイクのタンクやシートなどの不安定な場所には置かず、平らで落下の危険がない場所に保管するよう心がけましょう。
ここでは、ヘルメットの洗い方に関するよくある質問とその回答を紹介します。
内装が外れるタイプのヘルメットであれば洗濯機でも洗濯可能です。実際に、SHOEIのホームページでは、ヘルメットのお手入れ方法として洗濯機で内装を洗う方法を紹介しています。
ただし、洗濯機で洗うと手洗いよりも内装にダメージを与えるリスクが高くなります。洗濯機で洗う場合は、必ずネットに入れて手洗いモードなどなるべく負担をかけないように洗うことがおすすめです。
洗濯の頻度が高い場合は、なるべく手洗いのほうが内装を傷めず寿命を延ばせます。
ヘルメットを洗う頻度は、使用頻度によって変わります。毎日使用する場合は週に1回程度、月に数回程度であればその都度洗うのが理想的です。
通勤や通学で毎日使用する場合は、休日に洗うと濡れた状態でヘルメットをかぶる必要がなくなります。
バイクヘルメットは、内装の取り外しができるかどうかで洗い方が異なります。いずれも中性洗剤を使い優しく洗うことがポイントです。また、外装はシールドと帽体それぞれに適した方法で洗うと、傷を付けずにきれいにできます。
洗浄後は十分に乾燥させ、必要に応じてコーティング剤やワックスを使うと、よりきれいな状態をキープできます。ヘルメットの寿命を延ばすためにも、洗った後は適切な保管を心がけることが大切です。
ヘルメットは命を守る大切な装備です。定期的な洗浄とメンテナンスを通じて、性能を最大限に発揮させ、安全で快適なバイクライフを楽しみましょう。